「うちの子、ちょっと他の子よりゆっくりかも…?」
そう初めて感じたのは、いつだったのか実はよく覚えていません。
心臓の病気のせいで、生きるか死ぬかの毎日だったからです。
なんとか命の危険は少なくなったところで、ふと気づいてみると
言葉がなかなか出ない、集団に入るのが苦手、危険を顧みず高いところへ登る…。
最初は「個性かな」と思っていたけれど、だんだん「もしかして何かしらの障害…?」という不安も頭をよぎるようになりました。
はーちゃんは生後まもなく大きな心臓発作があり、電気ショックを2回受けています。
そのせいもあり、障害が残ってもおかしくはないという覚悟のような気持ちはありましたが、
どんな障害があるのかわかるまでは、何をすればいいのか・・
モヤモヤした気持ちをずっと抱えていました。

この記事では、はーちゃんの経験もふまえて、知的障害の診断基準や、原因などをわかりやすくまとめました。
同じように悩んでいる方が、少しでも安心できますように🍀
ゆっくり育つ子の特徴
私が違和感をおぼえたのは、
つかまり立ちができたころから、イスでも机でも
さらにはキッチンや洗面所にまで足をかけて登ってしまうこと。
それから1歳頃、バナナのことを”ばばば”と発音はしていたのに
その後バナナと言えるようにはならなかったことでした。
お兄ちゃんに比べて圧倒的に言葉を覚えるのが遅かったです。
言葉が出なくて、コミュニケーションが取りにくかったり
危険を顧みない行動は、どちらも知的障害の特徴です。
そのほかにも、足元がおぼつかなく歩くのが下手、手指を使った作業が苦手などの特徴もみられます。

言葉が通じない、手指をうまく使えないことによって
はーちゃんのトイレトレーニングは全く進みませんでした。トイレのみならず、生活にかかわるあらゆることに介助が必要です。
でも、はーちゃんなりに少しずつ、ゆっくり成長が見られました。
こども園や児童発達支援での助けもあり、年長さんになってからは普通のパンツで登園できました。
ズボンやパンツをしっかり下ろしたり、拭いたりは必要でしたが、
漏らすことは少なく、「トイレいく」と言える様にもなりました。
知的障害の3つの判断基準

知的障害とは、生活にかかわる能力が制限されていることをいいます。
- 知的能力が低いこと(IQが70以下)
- 適応能力が低いこと
- 発達期(18歳未満)に始まること
以上の3つの判断基準をみたすと知的障害と判断されます。
知的能力は読み書き計算などの能力だけではなくて、身の安全や衛生を守ることなどの生活するための能力を含みます。
適応能力は集団の中でのルールや役割を理解するなど、社会生活を送るために不可欠な能力です。
この2つの能力が低く生活に支障が出ている状態が、子供の頃から続いているのが知的障害といえます。

はーちゃんの場合は、6歳の時点で ”重度知的障害で自閉の傾向あり”
と診断されています。幼稚園に入る前の3歳の頃、初めて療育センターで知能検査をしましたが、はっきりと診断されるまで3年かかりました。
3つの判断基準は十分満たしていたと思いますが、
主治医の先生は、はっきりとは「知的障害」「自閉症」と言いませんでした。
発達の遅れ、自閉的傾向・・というような言葉で説明されていたと思います。
まだ小さかったので成長段階での個人差のレベルなのか、障害なのかを区別するのが難しかったのですが、
なんとなくモヤモヤとした気持ちでいました。
親にとって、わが子の障害を受け入れるのは、心の負担が大きく大変なことだと思いますが
最後の最後にやっと”重度知的障害で自閉の傾向あり”という、
はーちゃんが何者なのか説明できる診断が付いたことで
私はすごく安心しました。
この子は”ゆっくりでいいですよ”と認められた気がしたからです。

知的障害の原因
知的障害の原因の約8割は生まれる前に起こることがわかっています。
大きく分けて2種類あります。
1つは、体の重要な器官が作られる時期に、母体を通じて感染症や水銀などの毒物、タバコやアルコールなどの影響を受けることです。妊娠中はこれらの危険から身を守ることを心がけて生活することが重要です。
もう1つは遺伝子や染色体の異常などの先天性のものです。ダウン症候群や先天性代謝異常症がよく知られています。
残りの2割は出産時の事故と、成長してからの頭部の外傷、感染症による脳炎、不適切な養育環境での脳の発達の遅れなどです。

いろいろ原因はありますが、コレがこの子の原因です!と特定できないことも多く、
ほとんどが避けられない偶然によるものなので、親の責任ではないです。
あの時、私のせいで・・・とか必要以上に自分を責めないようにしましょう🍀
ゆっくりでも歩みを大切に
知的障害がある子は、できることが限られていたり、
コミュニケーションの方法が独特だったりします。
けれど、「ゆっくりでも、確実に育つ力」を持っています。
🌼 周囲の大人がその子のペースに合わせて
🌼 小さな「できた」を見逃さず
🌼 叱るよりも「どうしたらできるか」を一緒に考えることが、
ゆっくり育つ子の自信と成長につながります。

診断がついてからは、少しずつ支援や環境が整い、
はーちゃんなりのペースでゆっくり
でも確実に前に進んでいます🐻🐾
子どもの障害や特性を理解して、より良い環境を整えてあげるのが
親や周りの人ができることのひとつだと思っています。
障害の有無にかかわらず、すべての子に良い環境が整うように
理解の輪が広がってほしいです。
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